送電線ルート設計のための垂線計算

導入

送電線ルートの設計や地図上での系統図作成では, 「ある送電線(直線)に対して直角に交わる補助線を描きたい」 という場面がしばしばある。

本記事では,牧–見座を結ぶ直線に対して直角で,東町を通る直線との交点(垂線の足)を平面近似で求める方法を解説する。

電力系技術者が地図上で送電線の分岐点や補助点を定義する際に有用である。

🧩 folium を用いた地図描画との関係

本記事で示した垂線の足の計算は,Python の地図描画ライブラリである folium を用いて送電線ルートを可視化する際に有用である。

folium は緯度・経度をそのまま二次元座標として扱うため,平面近似によるベクトル計算と整合性が高い。

送電線の分岐点や補助点を folium 上に正確に配置するためには,直線に対する垂線の足を求める手法が不可欠である。

特に,送電線が複数の変電所を経由する場合や,分岐点を地図上で整然と表現したい場合には, 本記事で示した計算手順を用いることで,folium の PolyLine に与える座標を正確に定義できる。

これにより,送電線の系統図を地図上で視認性高く描画できる。

📌 使用する 3 点(緯度・経度)

本記事で扱う 3 点は以下のとおりである。

名称緯度(y)経度(x)
牧(A)36.3997995137.2873911
見座(B)36.2942808137.3702422
東町(C)36.3336561137.2975536

緯度を y,経度を x として扱い,地球を平面近似する。

📘 手順概要

垂線の足 Q を求めるために,以下の手順を用いる。

  1. ベクトル AB と AC を求める
  2. 内積を用いて,垂線の足の位置を決めるパラメータ t を求める
  3. 点 A とベクトル AB を用いて,交点 Q を求める

この方法は,平面幾何学における「点から直線への垂線の足」を求める標準的な手法である。

📐 1. ベクトルの定義

点 A(牧)

A=(xA,yA)=(137.2873911, 36.3997995)

点 B(見座)

B=(xB,yB)=(137.3702422, 36.2942808)

点 C(東町)

C=(xC,yC)=(137.2975536, 36.3336561)

📐 2. ベクトル AB と AC

AB=(xBxA, yByA)

=(0.0828511, 0.1055187)

AC=(xCxA, yCyA)

=(0.0101625, 0.0661434)

📐 3. 垂線の足のパラメータ t

垂線の足 Q は直線 AB 上にあり,

Q=A+tAB

ここで t は次式で求められる。

t=ABACABAB

内積の計算

ABAC=(0.0828511)(0.0101625)+(0.1055187)(0.0661434)

0.00774

ABAB=(0.0828511)2+(0.1055187)2

0.0180

よって

t=0.007740.01800.430

📐 4. 垂線の足 Q の座標

Q=A+tAB

経度(x)

xQ=137.2873911+0.430×0.0828511

137.3230

緯度(y)

yQ=36.3997995+0.430×(0.1055187)

36.3544

🎯 求める交点(垂線の足)

  • 緯度(y) ≒ 36.3544
  • 経度(x) ≒ 137.3230

この座標が,牧–見座線に対して直角で東町を通る直線の交点である。

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