利用時の品質特性

利用時の品質モデルは,特定の利用者が特定の利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性に関して特定の目標を達成するためのニーズを満たすために,製品又はシステムを利用できる度合いのことである。

利用時の品質の特徴は,有効性,効率性,満足性,リスク回避性及び利用状況網羅性の五つの特性に分類される。

1. 有効性(effectiveness)

明示された目標を利用者が達成する上での正確さ及び完全さの度合い。

2. 効率性(efficiency)

利用者が特定の目標を達成するための正確さ及び完全さに関連して,使用した資源の度合い。

3. 満足性(satisfaction)

製品又はシステムが明示された利用状況において使用されるとき,利用者ニーズが満足される度合い。

3.1 実用性(usefulness)

利用の結果及び利用の影響を含め,利用者が把握した目標の達成状況によって得られる利用者の満足の度合い。

3.2 信頼性

利用者又は他の利害関係者がもつ,製品又はシステムが意図したとおりに動作するという確信の度合い。

3.3 快感性(pleasure)

個人的なニーズを満たすことから利用者が感じる喜びの度合い。

3.4 快適性(comfort)

利用者が(システム又はソフトウェアを利用する時の)快適さに満足する度合い。

4. リスク回避性(freedom from risk)

製品又はシステムが,経済状況,人間の生活又は環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。

4.1 経済リスク緩和性(economic risk mitigation)

意図した利用状況において,財政状況,効率的運用操作,商業資産,評判又は他の資源に対する潜在的なリスクを,製品又はシステムが緩和する度合い。

4.2 健康・安全リスク緩和性(health and safety risk mitigation)

意図した利用状況において,製品又はシステムが人々に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。

4.3 環境リスク緩和性(enviromental risk mitigation)

意図した利用状況において,環境に対する潜在的なリスクを製品又はシステムが軽減する度合い。

5. 利用状況網羅性(context coverage)

明示された利用状況及び当初明確に識別されていた状況を超越した状況の両方の状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。

5.1 利用状況完全性(context completeness)

明示された全ての利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。

5.2 柔軟性(flexibility)

要求事項の中で初めに明示された状況を逸脱した状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。

参考文献

  • JIS X 2050:2013 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−システム及びソフトウェア品質モデル

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