現行システムと新システム間の差異を踏まえたデータ移行
令和7年度 春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅱ 問題 問2「現行システムと新システム間の差異を踏まえたデータ移行」についてである。
問題文
情報システムの刷新や企業統合などを背景にして,現行システムの取引先や仕訳などの重要なデータを新システムに移行することが多い。その際システムアーキテクトは,現行システムから新システムへのデータ移行方法を設計し,移行計画を立案する。
データ移行方法の設計では,現行システムのデータの意味や値のバリエーションなどを調査する。調査した結果から判明した現行システムと新システム(以下,現新システムという)の仕様やデータ構造などの差異を踏まえた,データマッピングやデータ変換ルールの策定,さらにデータクレンジングなどを検討する。現新システムのデータのもち方や粒度に差異がある場合,例えば次のように移行データの仕様や特性に応じてシステム面及び業務面での移行方法を検討する。
- 複数の現行尾システムに同じ取引先のデータが存在する場合,データの更新頻度が最も高いシステムのデータを移行元システムとして移行する。
- 仕訳データを移行する場合,勘定科目を統合するのであればバッチ処理で金額を合算し,分割するのであれば分割後の勘定科目ごとの金額を画面から入力する。
- 売上データを税込金額で保有している現行システムと税抜金額で保有している現行システムがある場合,税抜金額にそろえて移行する。
移行計画の立案では,適切な移行タイミングを検討することが重要である。さらに,移行日に全てのデータを一括して移行する方法や,事前に一部のデータを移行し,その後の差分を蓄積して移行日に反映する方法など,実施方法を検討することも重要である。その際,作業時間や作業品質などの観点を含めた移行計画の検討が必要である。
あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。
設問ア
あなたが携わったデータ移行について,対象とする業務及び情報システムの概要,データ移行が必要となった背景について,400 字以上 800 字以内で述べよ。
設問イ
設問アで述べたデータ移行において,現新システムにはどのような仕様やデータ構造などの差異があったか。その差異を踏まえたシステム面及び業務面での移行方法を,800 字以上 1,600 字以内で具体的に述べよ。
設問ウ
設問アで述べたデータ移行において,データの移行タイミングと実施方法を,移行計画を検討した観点を踏まえて,600 字以上 1,200 字以内で具体的に述べよ。
出題趣旨
準備中