応用情報技術者試験の難易度

「高度 IT 人材となるために必要な応用的知識・技能をもち,高度 IT 人材としての方向性を確立した者」と対象者像が示されている応用情報技術者試験(AP : Applied Information Technology Engineer Examination)の難易度について考察する。

過去の推移

受験者数,合格者数の推移

平成21年度から令和4年度に実施された応用情報技術者試験の受験者数,合格者数の推移を下図に示す。

図 応用情報技術者試験の受験者数,合格者数の推移

2013年度以降,受験者数は 60,000 ~ 70,000 名を推移している。(新型コロナウイルスの影響で令和2年度春期試験が中止となった 2020 年度を除く。)

2009 年度以降,合格者は 10,000 ~ 20,000 名を推移している。(新型コロナウイルスの影響で令和2年度春期試験が中止となった 2020 年度を除く。)

合格率の推移

応用情報技術者試験の合格者数を受験者数で除した合格率の推移を下図に示す。

図 応用情報技術者試験の合格率の推移

2009年以降,応用情報技術者試験の合格率は 20 ~ 25 % を推移している。2022年度(令和4年度)に実施された応用情報技術者試験の合格率は 25.3 % であり,2009年以降で最も高い。

試験の得点分布

令和4年度 秋期 応用情報技術者試験の得点分布を示す。欠席者や監督員の指示に従わず,退室を命じられた者の得点はない。

午前試験の得点分布

令和4年度 秋期 応用情報技術者試験の午前試験は 36,329 名が受験した。そのうち,合格水準 60 点に達しているのは 18,672 名であり,受験者の 51.5 % であった。

図 午前試験の得点分布(N = 36,329)

午後試験の得点分布

令和4年度 秋期 応用情報技術者試験の午後試験は 18,617 名が受験した。これは,午前試験に比べて 17,712 名少ない。受験した 18,617 名のうち,合格水準に達しているのは 9,516 名であり,51.1 % であった。

図 午後試験の得点分布(N = 18,617)

午前試験,午後試験合わせた合格率は 26.2 %(9,516 名/36,329 名)である。これは,2009年以降,最も高い合格率であった。

考察

応用的知識・技能が求められる応用情報技術者試験は,IT パスポート試験(共通的知識が求められる),基本情報技術者試験(基本的知識・技能が求められる)の上位に位置づけられる。
よって,IT パスポート試験や基本情報技術者試験に合格する実力のある者たちが受験すると考えられる。
それにも関わらず,合格率が 20 ~ 25 % 程度であるのは,難しい試験であると考えられる。

基本情報技術者試験に一発で合格した私の知人 2 名も,何度か応用情報技術者試験に不合格となっていることから,その難易度の高さがうかがえる。

参考文献

更新履歴

  • 2022年12月26日 新規作成
  • 2023年1月2日 受験者数,合格者数,合格率の推移を追加
  • 2023年9月8日 メタディスクリプションを作成
  • 2024年2月9日 参考文献に「目指せ!応用情報技術者」を追加

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