SAP 用語集

SAP で使われている専門用語について解説する。

アルファベット

ABAP

SAP プログラミング言語で,Advanced Business Application Programing の略。読み方は「アバップ」といい,ABAP スキルを持つプログラマーのことを「アバッパー」と呼ぶこともある。

SAP 新規導入や S/4 HANA へのバージョンアップ案件が盛んであり,ABAP スキルを持つ人の単価は右肩上がりで上昇している。

Add-on

標準機能として用意されていない機能を追加すること。

ALV

ABAP List Viewer の略で,リスク表示を行うことができる機能である。リストタイプ,および,Excel のようなグリッドタイプの 2 種類のタイプが用意されている。

グリッドタイプは,ツールバーを表示させることができ,項目の表示・非表示の制御,ソート,フィルタ,ダウンロード,集計などの操作ができる。

Batch Input

データを登録する方法の一つで,あらかじめ Excel などで SAP に登録したいデータを作成しておく。これを ABAP プログラムなどを使い,ユーザが画面からデータを入力したかのように画面遷移させながら,一括でデータを取り込む方法のことである。

例えば,ABAP プログラム上に,プログラム名,Dynpro 番号,機能コード,入力項目の名称などを指定してバッチインプットプログラムを作成し,外部システムから,夜間に,大量の会計伝票などを取り込むという場合に使う。

ERP

ERP (Enterprise Resource Planning, 企業資源計画) とは,会計,人事,生産,物流,販売などの業務に関する情報を一元管理するという概念,またはそのシステム。ERP システムは一般に,財務情報に基づく経営資源の最適配分を図るために使われる。

FI

SAP 社の ERP パッケージでは,財務会計は FI (Financial Accounting) というモジュールを使用して実現される。サブモジュールとして,総勘定元帳(G/L),債券管理(AR),債務管理(AP),固定資産管理(AA),特別目的元帳(SL)などから構成される。

Forio

SAP S/4 HANA で利用されているユーザインタフェースである。ECC のように画面にボタンを多く配置するのではなく,ユーザの役割と業務フローを意識した,シンプルで直感的な画面になっているのが特徴である。そのため,SAP を初めて利用する人でも,操作方法が分かりやすくなっている。

PM (Plant Management)

ロジ系のモジュールで,プラント保全管理のこと。プラントなどの設備の保守管理プロセス用に用いられる。

SAP S/4 HANA

SAP Business Suite 4 SAP HANA は,ドイツのソフトウェア企業 SAP SE 社のインメモリーデータベース “SAP HANA” を標準プラットフォームとする同社の第 4 世代の ERP 製品である。SAP SE 社の主力製品であった「SAP R/3」および「SAP ERP」の後継製品として2015年12月に発売された。

SAP R/3

R/3 は,一般企業向けに出荷された System R,汎用機向けソフトウェアの R/2 に続くオープンシステム,クライアント/サーバシステムに初めて対応した新しいバージョンの ERP パッケージである。

2023年1月現在,SAP R/3 Enterprise を最後のバージョンとして提供終了し,新機能の追加開発は後継の SAP ERP シリーズや SAP S/4 HANA に移行している。

Spool

帳票などの印刷データを一次的に格納しておく場所のことである。プリンタに直接印刷すると,印刷処理速度に合わせて処理することになり,処理効率が悪くなる。それを解決するために,処理結果をスプールファイルに書き込んでおき,処理と切り離して,スプールファイルから取り出して印刷するようにする。

Variant

同じ条件で実行することが多いプログラムに対して,条件の入力値をあらかじめ登録できる機能である。

バリアントを登録しておくことにより,プログラムの実行時に,いちいち条件を入力する必要がなくなり,条件指定が楽になる。入力値の登録だけでなく,項目を非表示にしたり,入力不可にすることもできるので,入力ミスの防止に役立つ。

日本語

インメモリーデータベース

SAP HANA はインメモリーデータベースである。SAP HANA を採用することで,スループットが従来製品の 3 ~ 7 倍に向上しており,これによってリアルタイムの経営情報を一元管理することを可能にした。また,データ量もカラムストアによる圧縮技術によって 10 分の 1 に低減されている。

会計系

会計系では,財務会計,管理会計などがある。

会計系では,GL(総勘定元帳),AP(債務管理),AR(債権管理),AA(固定資産管理),SL(特別目的元帳),TR(財務/資金管理),CO(管理会計,Controling),IM(設備予算管理,Investment Management),EC(経営管理)などのモジュールがある。

モジュール

特定の業務に関連する複数の機能をまとめたプログラムの集まりで,ロジ系,会計系,人事系,分析系に分けて用意されている。

ロジ系

ロジ系では,調達・在庫管理関係,生産関係,販売管理がある。

具体的なロジ系のモジュールとして,MM(在庫/購買管理,Material Management),PP(生産管理,Production Planning and Control),PS(プロジェクト管理,Project System),QM(品質管理,Quality Management),PM(プラント保全,Plant Management),SD(販売管理),CS(得意先サービス),LE(物流管理),WM(倉庫管理)などがある。

参考文献

  • 村上 均,「図解入門 よくわかる 最新 SAP の導入と運用」,秀和システム,2018年12月25日

更新履歴

  • 2023年1月24日 新規作成
  • 2023年9月8日 フォーカスキーフレーズ,メタディスクリプションを追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です