組織のプロジェクトマネジメント能力の向上につながるプロジェクト終結時の評価
プロジェクトチームには,プロジェクト目標を達成することが求められる。しかし,過去の経験や実績に基づく方法やプロセスに従ってマネジメントを実施しても,重要な目標の一部を達成できずにプロジェクトを終結すること(以下,目標未達成という)がある。このようなプロジェクトの終結時の評価の際には,今後のプロジェクトの教訓として役立てるために,プロジェクトチームとして目標未達成の原因を究明して再発防止策を立案する。
目標未達成の原因を究明する場合,目標未達成を直接的に引き起こした原因(以下,直接要因という)の特定にとどまらず,プロジェクトの独自性を踏まえた因果関係の整理や段階的な分析などの方法によって根本原因を究明する必要がある。その際,プロジェクトチームのメンバーだけでなく,ステークホルダからも十分な情報を得る。さらに客観的な立場で根本原因の究明に参加する第三者を加えたり,組織内外の事例を参照したりして,それらの知見を活用することも有効である。
究明した根本原因を基にプロジェクトマネジメントの観点で再発防止策を立案する。再発防止策は,マネジメントプロセスを煩雑にしたりマネジメントの負荷を大幅に増加させたりしないような工夫をして,教訓として組織への定着を図り,組織のプロジェクトマネジメント能力の好悪上につなげることが重要である。
あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。
設問
設問ア
あなたが携わったシステム開発プロジェクトの独自性,未達成となった目標と目標未達成となった経緯,及び目標未達成がステークホルダに与えた影響について,800 字以内で述べよ。
設問イ
設問アで述べた目標未達成の直接原因の内容,根本原因を究明するために行ったこと,及び根本原因の内容について,800 字以上 1,600 字以内で具体的に述べよ。
設問ウ
設問イで述べた根本原因を基にプロジェクトマネジメントの観点で立案した再発防止策,及び再発防止策を組織に定着させるための工夫について,600 字以上 1,200 字以内で具体的に述べよ。
論文設計
章立てを考える
- システム開発プロジェクトの独自性,未達成となった目標
- システム開発プロジェクトの独自性
- 未達成となった目標(経緯含む)
- 目標未達成がステークホルダに与えた影響
- 目標未達成の直接原因の内容,根本原因の内容
- 目標未達成の直接原因の内容
- 根本原因を究明するために行ったこと
- 根本原因の内容
- 再発防止策と組織に定着させるための工夫
- 再発防止策
- 再発防止策を組織に定着させるための工夫
参考文献
- 令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問題 問2