プロジェクトの終結

プロジェクトマネージャ試験のシラバス - 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 - Ver. 6.0 の大項目「5 プロジェクトの終結」についての記述である。

5-1 プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結

プロジェクトフェーズ又はプロジェクトを終結するために,供給者からの調達品の検収も含め,全ての最終成果物に関する機能,性能,品質などを検証して全てのプロジェクトマネジメントのプロセス及び活動の完了を確認する。

プロジェクトの終結時点では,終結に影響しないと判断された問題を除き,他の問題は全て解決され,また,承認された変更要求への対応が終了していることを確認する。

プロジェクトに関する全ての成果物をステークホルダに引き渡し,ステークホルダによる検収作業に,適時,適切に対応する。

また,残された全ての問題を記録して引継ぎが可能な状態にしておく。プロジェクトによって開発された成果物は,運用組織又は保守組織に引き渡す。

ステークホルダがプロジェクトの成果物を必要としなくなった場合,又は一部若しくは全ての目標が達成できないことが明らかになった場合には,完了前にプロジェクトを中止する必要が生じる。

プロジェクトフェーズの終結の場合は,当該プロジェクトフェーズの終結を確認して,ステークホルダに当該プロジェクトフェーズの終結及び次のプロジェクトフェーズの開始の承認を得る。

全てのプロジェクトの文書類は組織で定められた管理標準に従って収集,保管した上で,ステークホルダにプロジェクトの終結を報告し承認を得て,プロジェクトの全ての活動を完了し,全てのプロジェクト要員及び資源を解放してプロジェクトは終了する。

5-2 得た教訓の収集

現在のプロジェクト及び将来のプロジェクトにおける標準値,障害対応などへの参照情報とするために,また,教訓として役立てるために,プロジェクトを評価して,その結果を含めて分析結果をデータベース化して経験を収集する。

プロジェクトライフサイクルのプロジェクトフェーズで適宜収集してきた要員の投入
工数,資源の配分量,作業期間,品質,コスト,リスク登録簿,承認された変更,懸案事項などに関する情報を収集し,活動別,プロジェクトフェーズ別,プロジェクト内のチーム別に分類して集計する。

これらを基に,プロジェクトフェーズ及びプロジェクトの終結時点での全体プロジェクト計画と実績の差異分析を行う。

また,プロジェクト完了後の評価指標に基づいて,顧客の満足度及び便益の現実化に関すること,プロジェクト作業や成果物の品質に関すること,プロジェクトチームによって得られた成果に関すること,要員の能力や協調体制に関すること,プロジェクトマネジメントの方式に関すること,などを評価する。

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