IT サービスの障害による業務への影響拡大の再発防止

平成26年度 秋期 IT サービスマネージャ試験 午後Ⅱ 問題 問2「IT サービスの障害による業務への影響拡大の再発防止」についてである。

問題文

近年,複数のシステムが仮想化されたサーバで運用されたり,企業内外のシステムがネットワークで密接に連携したりするなど,システム環境は複雑化している。

このような複雑化した環境への理解不足や障害に対する検討不足があると,IT サービスの障害時に,例えば次のような事態を引き起こして,業務への影響が拡大することがある。

  • 優先して回復すべき IT サービスへの対応が後回しになる。
  • ネットワークで連携しているシステムへの連絡が遅れる。
  • 回復作業において他の IT サービスに影響を与える。

このような事態が発生した場合には,障害回復後,改めて障害対応の経過を整理した上で,例えば次のような視点から業務への影響が拡大した原因を分析して,再発防止策を立案する。

  • 障害対応手順などはシステム環境に即していたか。
  • 情報収集や判断を含めた指揮命令は迅速かつ的確に行えたか。
  • 業務に及ぼす影響は正しく把握できていたか。

また,再発防止策を実施した後,業務への影響が拡大した事例を組織内で共有する,システム環境や業務の変化に応じて再発防止策を見直すなど,再発防止を確実にするための活動を行うことも重要である。

あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。

設問ア

あなたが携わった IT サービスの概要と,IT サービスの障害による業務への影響が拡大した事例について,800 字以内で述べよ。

設問イ

設問アで述べた事例の再発防止策について,業務への影響が拡大した原因の分析の視点及び判明した原因を含め,800 字以上 1,600 字以内で具体的に述べよ。

設問ウ

設問イで述べた再発防止策を実施した後,再発防止を確実にするために行った活動について,工夫した点を含め,600 字以上 1,200 字以内で具体的に述べよ。

出題趣旨

近年,システム環境は,サーバの仮想化やネットワークの連携などによって複雑化している。このような複雑化した環境に対する理解不足や障害に対する検討不足があると,IT サービスの障害時に業務への影響が拡大することがある。

本問は,業務への影響が拡大した事例と,影響が拡大した原因の分析の視点及び判明した原因を踏まえた再発防止策について,具体的に論述することを求めている。併せて,再発防止策を実施した後,再発防止を確実にするために行った活動についても論述することを求めている。論述を通じて,IT サービスマネージャとして有すべき問題発見能力,問題分析能力,対策立案能力を評価する。

論文設計

章立てを考える

  1. IT サービスの概要,IT サービスの障害による業務への影響
    • IT サービスの概要
    • IT サービスの障害による業務への影響が拡大した事例
  2. 業務への影響が拡大した原因の分析の視点,判明した原因,再発防止策
    • 業務への影響が拡大した原因の分析の視点
    • 判明した原因
    • 事例の再発防止策
  3. 再発防止策を確実にするために行った活動

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