問題管理プロセス

問題管理プロセスは,インシデントの根本原因を特定し,インシデント及び問題の影響を最小化又は回避することを目的とするプロセスである。

問題管理プロセスの活動

問題管理プロセスの主な活動は以下の通り。

  • インシデントの根本原因と潜在的な予防処置を特定する
  • 問題解決のための変更要求を提起する
  • サービスへの影響を低減又は除去するための処置を特定する
  • 既知の誤りを記録する

したがって,IT サービスマネジメントにおける問題管理プロセスにおいて,インシデントの発生後に未知の根本原因を特定し,恒久的な解決策を策定する。

リアクティブな問題管理とプロアクティブな問題管理

問題管理の活動は,リアクティブな問題管理とプロアクティブな問題管理に分かれる。

リアクティブな問題管理

インシデントやイベントの発生,サービスデスクからの報告などを契機として実行する受動的な活動。

プロアクティブな問題管理

事前予防的な問題管理であり,これまでに発生したインシデントの傾向を分析して,そこに潜在する問題点を見いだし,解決策を講じて新たなインシデントの発生を予防する積極的な活動。改善活動として推進させることも多い。プロアクティブな問題管理が進めば,インシデントの発生が減少し,結果としてリアクティブな問題管理の減少も期待できる。

問題管理プロセスの手順

問題管理プロセスの手順を示す。(出典)平成29年度 秋期 IT サービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問題 問2「問題管理及び変更管理」

手順 1 識別

次の a ~ c のいずれかによって問題を識別する。

  1. インシデントの未知の根本原因の検知
  2. 根本的な問題を明らかにするインシデントの分析
  3. 供給者(ソフトウェア開発元など)からの問題の通知

手順 2 記録

日時など関連する問題の詳細を記録する。また,手順 1 識別が a. の場合(以下,インシデント発生ケースという)は,問題の記録の発端となったインシデントの相互参照などを記録する。

手順 3 優先度の割当

関連するインシデントがある場合は,関連するインシデントの緊急度及び影響に応じて解決の優先度を割り当てる。関連するインシデントがない場合は,独自に解決の優先度を設定する。優先度は高,又は低のいずれかを割り当てる。

手順 4 分類

インシデントを管理するプロセスで使用しているものと同一の分類基準を利用して問題を分類する。

手順 5 記録の更新

問題の追跡ができるように,問題の進捗状況を捉え,記録を更新する。

手順 6 段階的取扱い(エスカレーション)

必要な場合は,該当する当事者に対して段階的取扱いを行う。

手順 7 解決

調査と診断

  • 問題を調査し,診断する。
  • 根本原因が特定され,問題の解決方法が特定された時点で問題の診断を完了する。

既知の誤りと文書化

根本原因が特定されているか,若しくは回避策によってサービスへの影響を低減又は除去する方法がある場合を既知の誤りとして記録する。

問題の解決

  • 特定された解決方法を適用する。
  • 恒久的な解決策が構成管理(以下,CI という)の変更を必要とする場合は,変更管理プロセスに変更要求(以下,RFC という)を提起することによって解決する。

インシデント及びサービス要求管理プロセスとのインターフェース

問題管理プロセスは,インシデントの根本原因を調査し,恒久的な解決策を提案して,インシデント及び問題の影響を最小化または回避する役割を担う。

また,インシデントの根本原因が特定された場合,暫定策(ワークアラウンド)を含む既知の誤りの記録を作成し,管理する。

問題管理プロセスで得られた,既知の誤り及び問題解決策に関する最新の情報は,効率的なインシデントの解決及び組織的な学習に使われる。よって,インシデント及びサービス要求管理プロセスに提供されなければならない。

更新履歴

  • 2024年4月6日 新規作成
  • 2024年4月13日 「インシデント及びサービス要求管理プロセスとのインターフェース」を追加

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