【G 検定】人工知能研究の歴史
G 検定シラバス 2021 に基づき,ブームと冬の時代を繰り返してきた人工知能研究の歴史を学ぶ。
世界初の汎用コンピュータ
1946 年,アメリカのペンシルバニア大学でエニアック(ENIAC)という 17,468 本の真空管を使った巨大な電算機が開発された。これが世界初の汎用電子式コンピュータとされている。
ダートマス会議
1956 年にアメリカで開催されたダートマス会議において,人工知能という言葉は初めて使われた。
ダートマス会議には,マーヴィン・ミンスキー,ジョン・マッカーシー,アレン・ニューウェル,ハーバード・サイモン,クロード・シャノンなど,後に人工知能や情報理論の研究で重要な役割を果たす著名な研究者たちも参加した。
人工知能研究のブームと冬の時代
人工知能研究は,これまで「ブーム」と「冬の時代」を何度か繰り返している。
第1次 AI ブーム(推論・探索の時代:1950 年代後半~1960 年代)
コンピュータによる「推論」や「探索」の研究が進み,特定の問題に対して解を提示できるようになったことがブームの要因である。
しかし,迷路や数学の定理の証明のような簡単な問題(「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」)は解けても,複雑な現実の問題は解けないことが明らかになった結果,ブームは急速に冷め,1970 年代には人工知能は冬の時代を迎える。
第2次 AI ブーム(知識の時代:1980 年代)
コンピュータに「知識」を入れると賢くなるというアプローチが前世を迎え,データベースに大量の専門知識を溜め込んだエキスパートシステムと呼ばれる実用的なシステムがたくさん作られた。
日本では,政府によって「第五世代コンピュータ」と名づけられた大型プロジェクトが推進された。
しかし,知識を蓄積・管理することの大変さが明らかになってくると,1995 年ごろから AI は再び冬の時代に突入する。
第3次 AI ブーム(機械学習・特徴表現学習の時代:2010 年~)
ビッグデータと呼ばれる大量のデータを用いることで,人工知能が知識を獲得する機械学習が実用化された。また,知識を定義する要素(特徴量と呼ばれる対象を認識する際に注目すべき特徴を定量的に表したもの)を人工知能が自ら習得するディープラーニング(深層学習)が登場したことが,ブームの背景にある。